信用か?反骨か? 30thバンザイペイント

Aug 15. 2024

バンザイペイントと聞いて思い出すのは高校時代。鹿児島の伝説的なセレクトショップ「 Base」 にて、当時大人気だったジェネラルリサーチの横に並んでいたナゾのグラフィック T シャツ。最初の出会いはそんな感じだったと思う。デザインもアートも分からず、当時はなんかカッコいいなと思い、何度もチラチラ見ていたらオーナーさんが薦めてくれて 1 枚購入したのを覚えている。その後、雑誌 relax とかで見かけて「通な T シャツを買ったな」と高校生ながらに満足していた。

大学時代はファッションの趣味嗜好にも変化があり、バンザイペイントの存在をすっかり忘れていた。そんな中、久しぶりのブランドとの再会は、鹿児島の GOOD NEIGHBORS JAMBOREE 2011 のイベント T としてだった。背中のグラフィックに高校時代着ていた T シャツの面影を感じ、即購入。ジャストサイズで買ってしまったため、今着るとチビ T 感が否めない。自分で着れないのは残念だが、いつか息子に着せることで着用欲は満たそうと思う。

そんなバンザイペイントが2024年で 30 周年とのこと。先日、デザイナーである立沢さんのインスタで、ゲリラ的に 2 型の T シャツが発表された。購入は DM からとのことだったので気に入ったグラフィック(言葉)の方を注文させてもらった。

注文したのは『CASH FROM CREDIT』と大きくプリントされたデザイン。パンク文化の立役者であるマルコム・マクラーレンの CASH FROM CHAOS を引用したもので「信用から得た金」という意味。ボクが SNS やらブログやら、せこせこ発信しているのは、何を隠そう、人からの信用が欲しいからw
そんな夢見るボクにとって『CASH FROM CREDIT』はピッタリな言葉だった。

しかし、届いた T シャツは『CASH FROM CREDIT』ではなく、『FUCK THE CLOUT』の方で「権力、クソ喰らえ」という意味。単なる発送ミスだったみたいだけど、サラリーマン中間管理職である今のボクに必要なのは「信用」ではなく、会社や常識に対しての「反骨」の方だぞ、と立沢さんに言われている気がしたので、2 枚とも購入した。

結果として、どちらの言葉も今のボクには必要な言葉だったと、誤発送に感謝することとなる。
ボクの仕事は会社から預かったブランドを育てること。そのためには自身の発信に信用がないと、何を作っても評価の土俵にさえ上げてもらえない。また、ブランドがうまく育ったとしても、現状に満足することなく、いつでも疑い、ダメなときは振り出しに戻ってやり直す覚悟が必要だと思う。

と、いろいろ考えながらブログを書いていると、意訳しすぎた自分都合の言葉になっていることに気づく。もはや連想ゲームである。でも、メッセージ T ってデザイナーは問題提起を、着用者はそれぞれが意訳した考えが主張できればお互い Win-Win なはず。

というわけで、ひとまず会社の重要な会議には『FUCK THE CLOUT』を着ていこうと思う。

改めまして、30周年おめでとうございます!