プロダクト?植物アート?いえ、新しいジャンルです

Oct 9. 2023

ROAMYのPVを作ってもらった早川さんの新しい作品の個展 ”Turn on, tune in, and sprout”へ行ってきました。

インスタの告知で写真だけ見たときは、イメージする形に植物を剪定する盆栽のような作品だと思ってましたが、どうやら全然違っていて、「似て非なるもの」でした。

ご本人曰く、この作品に辿り着くまで8年かかったそうです。
作品に取りかかるきっかけは、単にネオレゲリアというこの植物が好きで育て方を調べていたら、土に植えしないでも葉っぱから水分を取り入れるという事実を知ったこと。
その後、実験的に鉢から出して育てて、数年問題なく育ったので次はインテリアとしての可能性を探ったそうです。そして辿り着いたのが、モービルのような見せ方。

一つ一つの株をよく観察して、これからどんな風に成長するか、重心はどこか、など吟味して2〜3株を組合わせるそうです。

この作品の面白いところはデザイナーが手を加えるのは最初の下準備だけ。その後は植物のポテンシャルと、その持ち主が設けた環境次第というところ。これまでミリ単位でデザインしていた早川さんが、一生完成しないものを受け手に任せるというギャップ。

今の時代、ブランドを1人のカリスマデザイナーが作り上げるという手法は古い(難しい)ものとなり、ユーザーと一緒に作り上げることが主流となってきている。そんな時代の肌感も、この作品の魅力の一つなのかもしれない。

最後に個展のタイトルについて。
このタイトルは、アメリカの心理学者でLSDという幻覚剤を飲んで、禅の思想を疑似体験しようと主張したTimothy Learyの”Turn on(目を覚ませ), tune in(のめり込み), drop out(解脱せよ) ”という言葉を引用したもの。
※ティモシーさん、雑な説明でごめんなさい。。。

個展のテーマは”Turn on(植物の特性に気づいて), tune in(調整したら), and sprout(芽が出たよ)”という意味だそうです。

この辺りのブラックユーモアもさすがでしたw