ビットコインの、利確しない正解

Sep 5. 2025

仮想通貨の一番のデメリットは、利確したときの税金が高いこと。最大で55%も課税されるので、これまでは「税制が変わることを夢見て淡々と積み立てておくのがベストだろう」と考えていた。特にビットコインはPoW(プルーフ・オブ・ワーク)方式で、ステーキング報酬もない。
※正確にはラップドして別チェーンで運用することもできるが、送金ミスや手数料などリスクが高め。

ただ積み立てるだけに少し飽きてきた今日この頃、深掘りしたくなる情報をゲットしてしまった。それが、日本円と1:1で連動するステーブルコイン”JPYC”である。

JPYCは資金決済法上「前払式支払手段」に分類され、イメージとしては「PayPayがブロックチェーン上にある」というもの。日本円と同じ価値で、差益が出ない限り課税されないという特徴がある。

この特徴を活かした運用が「ビットコインを担保にJPYCを借りる」である。
ビットコインは利確すると税金が高いし、今後も価値上昇が期待されるのでできれば売りたくない。でも積み立てているだけだと資産が眠ったままになる。そこで、ビットコインを担保にJPYCを借り、その資金を別の運用に回そうというのだ。

ポイントは、ビットコインと日本円の価値変動。これからもビットコインが円に対して上がると腹をくくれば、返済の負担は相対的に軽くなる。インフレで円の価値が下がっていく可能性も踏まえれば、リスクは思ったより低いはず。

仮想通貨にはレンディングという仕組みがあり、資産を貸して利息を得たり、それを担保に別の通貨を借りたりできる。その応用として「ビットコインを担保にJPYCを借りる」。借りたJPYCを現金化して、積立NISAや高配当株に投資すれば、資産を二重に活かす“二階建て運用”が可能に。

もちろん借入には2%前後の金利がかかるけど、例えば積立NISAなら平均で年5%程度のリターンを見込めるので、差し引きで3%前後のプラスが期待できるという算段。

つまり――ビットコインは売らずに担保にする。
これが「ビットコインは利確しないが正解」の所以なのだ。