禅なスニーカー

Apr 22. 2025

NBM DECK (Neure Blockmann × MOONSTAR)

○△□柄のちょっと派手めなスニーカー。一見、プレステのコントローラのようだけど、モチーフは○△□の禅画。 このスニーカーは、グラフィックデザインを通して様々なブランドのディレクションを行う多才な立沢トオルさん(僕はbonzaipaintで知った)と、徳島で縫製業と「しごと着」をコンセプトにした<JOCKRIC>を手掛ける黒川勝志さんが立ち上げたNeure BlockmannとMOONSTARとのコラボレーション。2人の共通点はモトクロスとマウンテンバイク。そのため、チェッカーフラッグについつい反応してしまうらしいw

そんな2人が「市松模様ってカッコいいよね」ということからはじまったのがこのブランド。 ブランドの方向性を模索中に、大きく影響を受けたのが徳島で仙人と呼ばれ、みんなに慕われているアーティスト。その方は本場ネパールで彫刻刀の作り方からブロックプリントを学んだという。作品には市松ベースのものが多く、市松好きの2人は大いに刺激を受けたようだ。

ブロックプリントから僧侶の衣服へ、そこから禅宗に思考が飛び、仙厓義梵が描いた○△□に辿り着く。このテキスタイルの○△□には、禅画で表現された宇宙とか座禅とかではなく、多様性だったり、⚪︎×のように勝ち負けつけないというメッセージが込められているという。そんな背景を知ってしまうと、ただ可愛らしい柄が急に神々しく見えてきたw

プロダクトデザインは製法などで制約が多いので、いろんな思いを自由に詰め込めるグラフィックデザインを改めて羨ましくも思った。 でもこうして身につけられるのはプロダクトという土台があるからだと思うと、結局は「隣の芝生は青い」ということなのだ、と自分に言い聞かせる。そんな答えのない禅問答もさせてくれるスニーカー、オススメですよ。

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