西山勲さんの写真展を通じてストーリーの重要性を知る

Sep 23. 2025

大牟田動物園を口実に、家族を引き連れてIn the pastで開催中の西山勲さんの写真展「Papa, You’re Crazy」へ。なんとラッキーなことにご本人が在廊されており、直接解説していただけた。
今回の写真展は約10年前にIn the pastの定松さんが西山さんにプレゼントした一冊の本「パパ・ユーア クレイジー」がきっかけだという。西山さんはIn the pastで展示をするならこのテーマしかないと思っていたらしく、その本の心に残った一節からスケッチを起こし、どんなシーンを撮るのかを決めていったとのこと。小道具やモデルの衣装なども、ご自身で準備されたそうだ。
一見ドキュメンタリーのような写真展だったが実は全くのフィクションだった。ただ、1つだけリアルなことがあった。それはモデルが西山さんの本当のお父さんだということ。撮影はそのお父さんが海辺に借りている家やその周囲だということ。西山さんは写真を撮っているうちにすっかり忘れていた父の癖や知らなかった一面を知ることができたという。実の父に対して1週間という長い時間、顔を突き合わせることは気恥ずかしく出来なかったという。ファインダー越しだからこそこの対話のような撮影ができ、その結果、フィクションが一気にドキュメンタリーになったのだと思う。

ぼくも二児の父である。これから大きくなる子どもに何をしてあげれば良いのかと、漠然とした不安もある。今回、西山さんは写真集最後のページに「対話のヒントに」とサインしてくれた。まずは読み止まっていた「パパ・ユーア クレイジー」を、写真を見ながら読み始めようと思う。