ビシャン職人への道

May 18. 2026

ビシャン加工って知ってます?

石やコンクリートの表面を専用のハンマーで叩いて、あえて凹凸のある風合いを出す加工のこと。
もちろん、地面に使えば滑り止めなどの実用的な効果はあるのだけれど、個人的にはあの独特の「風合い」がとても気に入っている。

そんなビシャン加工との出会いは、自邸を建てるとき。
少しでもコストダウンしようと、家のコンクリート基礎や階段の表面を、自分で叩く作業を引き受けたのがきっかけだった。

最初は訳も分からず、ただの作業として無心で叩いていた。
でも、次第にコツを掴んでくると、叩く強弱ひとつで見え方が全然違ってくる面白さに気づいてしまった。
作業が終わる頃には、寂しささえ感じるくらい没頭していた。

家が完成した後も、「メンテナンスで必要になることもあるだろう」なんて謎の理由をつけて、マイ・ビシャンハンマーを購入。
案の定、ほとんど使う機会はなかったのだけれど……先日、自邸の設計をしてくれた友人から思わぬ要請が入った。
「あのビシャン加工、またやってくれない?」
もちろん、二つ返事で快諾した。

ただ、長らくやっていなかったので、技術的に勘が鈍っていないか少し不安になった。
そこで、家の庭の壁を使ってこっそり動作確認を実施してみることに。

結果としては、根気と時間さえあれば何とかイメージした風合いに仕上げられた。
ただ、誰でも出来るかというとちょっと違って、いっちょ前に職人みたいなことを言わせてもらうと、表面感の強弱や「止めどき」の判断には、確かな経験とセンスがいると思っている。
いや、そうであってほしいというのが本心である。

そんな空想に浸りながら現実に引き戻されたのは、試しに叩いてみた庭の壁を見たときだった。
経年で苔も生え、黒ずんだコンクリートの壁のなかに、僕が叩いた1点だけが純白色に輝いているではないか。

はてさて、どうしたものか……。
まあ、これは鍛錬だと思って、暇な時間を見つけては淡々と叩き続けて完成させるしかないな。

せっかくなので、一つの「Works(作品)」としてSNSなどで報告していこうと思う。
もしかしたら、それを見た誰かから、またビシャン加工の依頼が舞い込むかもしれないし。

将来的には「石の彫刻(叩き専門)」なんかにも挑戦してみたいな。
さぁ、ビシャン職人への道は始まったばかりだ。