「素材と対話」とはこういうことか!

Sep 7. 2026

作家がテレビや雑誌で「素材と対話しています」と話しているのをよく聞く。素材を観察し、触り、ときには音を聞きながら形にしていくということなのだろう。意味は分かるが、正直なところ、「またまたカッコつけちゃって」と思っていた。

先日、庭に落ちていた石をビシャンハンマーで叩いてみた。特別な石ではない。草刈りをしていて出てきたもので、雰囲気がよかったから捨てずに取っていただけの石。

コンクリートなら、同じ角度、同じ強さで叩けば、同じような表情になる。骨材の粒に当たれば多少はばらつくが、だいたいは予想の範囲に収まる。ところが石は全く違った。数センチ隣を叩いただけで、全然硬さが違う。角度をわずかに外すと、粘りもなくあっけなく割れることもある。

石はいろんな鉱物の集合体だ。マグマがそのまま固まれば火成岩、砕けて積もってから固まれば堆積岩、それがさらに熱や圧力を受ければ変成岩になる。同じ形に見えても、中身まで同じものはひとつもない。だから叩く前に、しっかり見る。目で分からなければ軽く叩いてみて、その手応えで判断する。強く叩くのはそのあと。

そうか、これが素材と対話するということか。石を叩いて、ようやくこの感覚を知った。

ただ、対話と呼ぶにはまだまだで、聞き方を覚え始めたぐらいだな汗